そこで、私はやっと気づく。 「あっ」 「ん?」 「えっと……」 私が言い淀んでいると、光貴先生は「どうしたの?」と私の顔を覗き込んだ。 「えっと……ここって、個室……」 「ああ……」 私はてっきり複数のベッドが入る大部屋になるものだとばかり思っていたから、とても大きな個室にいる事に気が付いて、正直言ってとても驚いた。 「兄さんが手配したんですよ。僕とセットでね」 光貴先生はそう言って、いたずらっ子のようにクスクスと笑った。