先生がいてくれるなら②【完】


──あぁ、そうだ、思い出した……。


俺はチェストの引き出しから小さな箱を取り出した。


立花に渡そうと思っていたプレゼント。


まさか昨晩、お互いの寝場所を争うことになるとは思っても無くて、すっかり渡しそびれていた。



俺は包みを解いて箱を開け、繊細なそれを壊さないように手に取る。


そしてベッドで眠る立花の左腕をそっと持ち上げ、小さな留め具と格闘しながらそれを付け終えた。



立花の細く白い腕に、繊細で華奢な鎖がシャラリと揺れて、キラキラと光っている。


自分で選んでおいてなんだけど、すごく似合ってる、と思う。


立花はこう言う繊細なデザイン、似合うよなぁ。



まだ起きるには早い時間だ、もう少し……立花が目覚めるまで、もう少し抱き締めて眠ろう。


忍耐力は必要だけど、抱き締めて眠れるのは本当に幸せだ。



俺は再びベッドに滑り込み、立花を起こさないようにしながら今度は俺が立花にすり寄る。


すると、立花が俺の胸に頭を乗せて、スリスリと頬ずりをする。


ははっ、可愛くて凶暴。


仕草は可愛いのに、俺を攻撃する手は緩めてくれないなんて、ほんとコワイ奴。



腕の中の立花に俺も頬ずりをして、俺は再びまどろみの中へと、ゆっくりと落ちた──。