────は!?
なんで、って、お前……、いや、ちょっとヤメロ、駄目に決まってんだろ!?
抱き締めてるだけでもこれ結構我慢してるのに、素肌が触れ合うとか、足が絡まり合うとか……わーーーっ!!!
しかし今更、やっぱり別の布団で寝る、とは言えない。
それなのに立花は、心の中で激しい戦いを繰り広げる俺のことなど微塵も分かってない様子で、俺の腕の中から俺の顔を見上げてくる。
もう寝るしか無い。
眠ってしまえばこっちの勝ちだ。
「い、いいから、もう寝るぞっ」
そう言ってリモコンで電気を消して彼女をギュッと抱き締め、額に唇を落として「おやすみ」と呟いた。
自分の腕の中に最愛の人がいると言う幸せ……。
勿体なくて、なかなか眠りになんか落ちることが出来ない。
立花も最初は嬉しそうに時々俺の様子を窺うようにしていたけど、今日は一日外で気を張っていたからか、すぐに睡魔に襲われたようで……いつの間にか俺の腕の中で小さな寝息を立て始めた。
規則正しい、愛しい人の気配。
俺は完全に寝入ってしまった立花を起こさないよう、そっと頭を撫でる。
柔らかく、長い髪。
俺がいつもひとりで寝ているベッドに、いまは立花の髪が広がっている。
「……」
だめだ、寝よう、でないと寝てる立花を襲いそう……。
俺は目をギュッと瞑り、甘すぎる誘惑から必死で逃れた。



