俺は振り向いて、立花に顔を近づけるよう指でクイクイッと合図を送る。
すると、立花はそれに従って素直に俺に顔を近づけた。
──いただきます。
立花の頭をグイッと引き寄せて、唇を重ねる。
いつもの触れるだけのキスよりずっと強く押し当てられた唇──。
「ん、んん、……っ!!」
立花が何か抗議の声をあげている。
仕方がないから離してやるか。
名残惜しいことを伝えるためにリップ音をわざと大きめにたてて唇を離し、「髪の毛乾かしてくれたお礼」と言ってから、ペロリと自分の唇を舐めた。
ん、ごちそうさま。
お前の唇、柔らかくておいしかった。
本当はもっとたくさん味わいたいんだけど、俺自身がそれだけじゃ済まないのが分かってるから……絶対歯止めが効かなくなるって分かってるから……。
へたり込んだ立花の頭を宥めるようにポンポンと優しく撫でて、俺は椅子を持って脱衣所を出た。



