先生がいてくれるなら②【完】


私は先生の方を向くように横向きに体勢を変えて、「……先生、身体、冷えちゃいますよ?」と言うと、先生は私の手をギュッと握りしめて、それを自らの額に押し当て、はぁ、と息を吐いた。



「立花……」


「……はい」


先生は次の言葉を少し迷って、そして……



「……やっぱり……お前を抱き締めて眠っても、いい?」



先生……



私は嬉しくて、すぐにコクリ、と頷いた。



一度私の手を離した先生は、立ち上がって私が寝ている方とは反対側からベッドへと滑り込む。


私が先生の方へ身体の向きを変えると、「もうちょっとこっちにおいで」と言って、すぐ隣をポンポン、と叩いた。


私はモゾモゾと芋虫みたいに動いて先生の隣へ移動する。



「ホントに、抱き締めて眠るだけだから……それ以上のことしそうになったら、殴ってくれていいから」


私を抱き寄せながら先生が私の耳元で囁く。


「ふふっ、分かりました」