私は先生の方を向くように横向きに体勢を変えて、「……先生、身体、冷えちゃいますよ?」と言うと、先生は私の手をギュッと握りしめて、それを自らの額に押し当て、はぁ、と息を吐いた。
「立花……」
「……はい」
先生は次の言葉を少し迷って、そして……
「……やっぱり……お前を抱き締めて眠っても、いい?」
先生……
私は嬉しくて、すぐにコクリ、と頷いた。
一度私の手を離した先生は、立ち上がって私が寝ている方とは反対側からベッドへと滑り込む。
私が先生の方へ身体の向きを変えると、「もうちょっとこっちにおいで」と言って、すぐ隣をポンポン、と叩いた。
私はモゾモゾと芋虫みたいに動いて先生の隣へ移動する。
「ホントに、抱き締めて眠るだけだから……それ以上のことしそうになったら、殴ってくれていいから」
私を抱き寄せながら先生が私の耳元で囁く。
「ふふっ、分かりました」



