グルグルと同じ事を考え続けるけど、なかなか答えは出ない。
先生の提案通り、私がベッド、先生が布団、そうするしか無いのか。
そうだよね、……先生は私を大切に思ってくれてる、それだけでいいはずじゃない。
ほんの少し前までは、ただの教師と生徒と言うだけの関係だったんだから。
きっと、私がほんの少し我慢して、先生の提案を受け入れるのが一番良いんだろう……。
──私は観念して、先生の服からゆっくりと手を離した。
パタリ、と私の手が落ちて。
私はベッドにふらりと近寄り、ベッドの端に腰掛けた。
「立花……」
泣かない。
泣いたら、先生が困るから。
私は小さく息を吐き出して、顔を上げて先生を見つめた。
先生の綺麗な顔が、困ってます、って顔になってる。
きっと、この先もずっと一緒にいるなら、いつかは一緒に眠る日が来るよね?
……だったら今日は、我慢する。
だから私はゆっくりと息を吸って、ちょっとだけ笑顔を作った。
「先生、……おやすみなさい」
私がそう言うと、先生の手が少しだけ動いて……でも思い直したかのように、ギュッと拳が握られる。



