先生がいてくれるなら②【完】


グルグルと同じ事を考え続けるけど、なかなか答えは出ない。


先生の提案通り、私がベッド、先生が布団、そうするしか無いのか。



そうだよね、……先生は私を大切に思ってくれてる、それだけでいいはずじゃない。


ほんの少し前までは、ただの教師と生徒と言うだけの関係だったんだから。


きっと、私がほんの少し我慢して、先生の提案を受け入れるのが一番良いんだろう……。



──私は観念して、先生の服からゆっくりと手を離した。



パタリ、と私の手が落ちて。


私はベッドにふらりと近寄り、ベッドの端に腰掛けた。



「立花……」



泣かない。


泣いたら、先生が困るから。



私は小さく息を吐き出して、顔を上げて先生を見つめた。


先生の綺麗な顔が、困ってます、って顔になってる。



きっと、この先もずっと一緒にいるなら、いつかは一緒に眠る日が来るよね?


……だったら今日は、我慢する。


だから私はゆっくりと息を吸って、ちょっとだけ笑顔を作った。



「先生、……おやすみなさい」



私がそう言うと、先生の手が少しだけ動いて……でも思い直したかのように、ギュッと拳が握られる。