先生がいてくれるなら②【完】


うわ、濡れ髪の先生、すごく色っぽい……


それに、良い香りがする……。



私は思わず恥ずかしくなってきて、先生を直視出来なくなってしまった。


だって、その……これから、先生と、…………。



「……どうした? ん?」



私の様子がいつもと違うことに気付いた先生は、私を後ろからギュッと抱き締めて「なに考えてた?」って聞いてくる。


「えっ、あ、あの……」


答えに困る私の耳元で、「立花……」って囁いて。



「せ、先生……」

「……ん?」



先生の濡れた髪から雫が垂れて、私の耳元にポツリ、……。



「……先生っ、冷たっ!」


「あ、ごめん……」


私は先生の腕から抜け出して、先生の腕をギュッと掴んで脱衣所へ引っ張っていく。


「髪、ちゃんと乾かさないと風邪引いちゃいますから」

「んー、もしかしてお前が乾かしてくれんの?」

「ご所望なら」

「おぉ。じゃあ、ちょっと待ってて」


先生はそう言ってダイニングの椅子を持って来て、脱衣所に置いておもむろにそこに腰掛けた。


「はい、よろしくお願いします」


なんだか礼儀正しい先生がおかしくて、思わず笑ってしまう。


鏡越しに先生と目が合うと「早く早く」と急かされて。