うわ、濡れ髪の先生、すごく色っぽい……
それに、良い香りがする……。
私は思わず恥ずかしくなってきて、先生を直視出来なくなってしまった。
だって、その……これから、先生と、…………。
「……どうした? ん?」
私の様子がいつもと違うことに気付いた先生は、私を後ろからギュッと抱き締めて「なに考えてた?」って聞いてくる。
「えっ、あ、あの……」
答えに困る私の耳元で、「立花……」って囁いて。
「せ、先生……」
「……ん?」
先生の濡れた髪から雫が垂れて、私の耳元にポツリ、……。
「……先生っ、冷たっ!」
「あ、ごめん……」
私は先生の腕から抜け出して、先生の腕をギュッと掴んで脱衣所へ引っ張っていく。
「髪、ちゃんと乾かさないと風邪引いちゃいますから」
「んー、もしかしてお前が乾かしてくれんの?」
「ご所望なら」
「おぉ。じゃあ、ちょっと待ってて」
先生はそう言ってダイニングの椅子を持って来て、脱衣所に置いておもむろにそこに腰掛けた。
「はい、よろしくお願いします」
なんだか礼儀正しい先生がおかしくて、思わず笑ってしまう。
鏡越しに先生と目が合うと「早く早く」と急かされて。



