マンションの駐車場のゲート前に一度車を停めて、先生が私の顔を覗き込む。
「なぁ……ほんとに泊まって大丈夫なのか?」
ちょっ……、その質問は、いまするべき質問ですか!?
いやいやいや、ちょっと、恥ずかしいからやめて下さいっ。
うー、顔が熱いっ。
間違いなく、顔やら耳やら真っ赤になってると思う。
「だ、大丈夫です、ちゃんと……」
まだ私がしゃべってる途中なのに、先生は自らのシートベルトをグイと引っ張って緩め、私の方へと身体を傾ける。
そして私に覆い被さるようにして……唇を重ねた。
「……っ、」
リップ音を残して一度離れ、再び唇が重なる。
それは啄むような優しくて軽いキスだけど、私の心拍数と呼吸数を上げるには十分で……。
「……んっ、……」
は、ぁ……、む、無理、……先生っ。
息、どのタイミングで吸えば、いいの……っ!?
苦しくて、私は思わずギュッと先生の服を掴むと、先生の唇が名残惜しそうにゆっくりと離れた。
先生は私の様子を見てフッと笑うと「……ごめん、中入ろっか」と言って、駐車場のゲートを開けて車を中へと進めた。



