──教員チームのレース動画の上映が始まる。
それは本当に、『上映』と呼ぶのに本当に相応しい映像だった──。
いったい何台のスマホを使ったんだ、と言いたくなるオープニング……
私の横顔。
先生の後ろ姿。
整列するリレー選手たち。
号砲を鳴らす体育委員。
走り出す第一走者。
それを見守るリレー選手と観客──。
「え、待って、これ凄すぎない?」
固まる私に、市橋君は嬉しそうに頷いた。
「ここにいる二年生全員に手伝ってもらったんだ。すごく良い出来でしょ?」
え。待って。
いま、サラッと、二年生全員、って言いました……???
「ちょ、市橋くん……!?」
どう解釈すべきか分からないまま、私は映像をじっと見つめた。



