先生がいてくれるなら②【完】


──教員チームのレース動画の上映が始まる。


それは本当に、『上映』と呼ぶのに本当に相応しい映像だった──。


いったい何台のスマホを使ったんだ、と言いたくなるオープニング……



私の横顔。

先生の後ろ姿。

整列するリレー選手たち。

号砲を鳴らす体育委員。

走り出す第一走者。

それを見守るリレー選手と観客──。



「え、待って、これ凄すぎない?」


固まる私に、市橋君は嬉しそうに頷いた。


「ここにいる二年生全員に手伝ってもらったんだ。すごく良い出来でしょ?」


え。待って。

いま、サラッと、二年生全員、って言いました……???


「ちょ、市橋くん……!?」


どう解釈すべきか分からないまま、私は映像をじっと見つめた。