──あぁ……。
やはり、悠斗は分かってるんだ、先生の事──。
「悠斗……先生は悪くないよ。悪いのは私だから」
「んなわけねーじゃん! なぁ明莉、アイツは “先生” なんだぞ!? 教師と生徒なんて、そんな関係ダメだろう!?」
「ごめん。ごめんね、悠斗。私……先生じゃないとダメなの。私が、あの人じゃないとダメなんだよ……」
私はこみ上げて来そうになる涙を懸命に堪えながら、絞り出すようにそう言った。
悠斗はとても悲しそうな瞳で私を見つめていたけど、やがて小さくため息をついて「アイツに何かされたら、俺がアイツを懲らしめてやるから絶対俺に言うんだぞ!」と言って、私をふわりと抱きしめた。
ありがとう。
こんな私を好きになってくれて、本当にありがとう──。
悠斗の想いに応えることが出来なくて、本当に、本当にごめんね……。



