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体育祭も無事に終わり、学校もすっかり日常を取り戻した。
私は悠斗に改めて話があるから、と話を切り出した。
好きな人がいるから付き合う事は出来ないと謝る私に、悠斗は少し不機嫌な表情で私を見つめていた。
「──やっぱりアイツがいいのか?」
「……え?」
「前に言っただろ、アイツ、一緒に買い物してたヤツ」
「あ……」
「明莉、アイツと付き合ってんだろ?」
「……うん」
「アイツが誰か、分かってる? ってか、なんでよりによってアイツなんだよ!?」
悠斗の言っている意味が、すぐには理解出来なかった。
それって……あの時──ショッピングモールで一緒にいるのを見られた時に私と一緒にいた人物が、藤野先生だってバレてるって事……??
「あ、あの……」
「なんでアイツ? 仮にも教師が生徒に手ぇ出すって、あり得ねーだろ!?」



