先生がいてくれるなら②【完】


* * * * *


体育祭も無事に終わり、学校もすっかり日常を取り戻した。


私は悠斗に改めて話があるから、と話を切り出した。



好きな人がいるから付き合う事は出来ないと謝る私に、悠斗は少し不機嫌な表情で私を見つめていた。


「──やっぱりアイツがいいのか?」


「……え?」

「前に言っただろ、アイツ、一緒に買い物してたヤツ」

「あ……」


「明莉、アイツと付き合ってんだろ?」


「……うん」


「アイツが誰か、分かってる? ってか、なんでよりによってアイツなんだよ!?」


悠斗の言っている意味が、すぐには理解出来なかった。


それって……あの時──ショッピングモールで一緒にいるのを見られた時に私と一緒にいた人物が、藤野先生だってバレてるって事……??


「あ、あの……」

「なんでアイツ? 仮にも教師が生徒に手ぇ出すって、あり得ねーだろ!?」