先生がいてくれるなら②【完】



私と悠斗が2年5組の応援席に戻ると、クラス全員が大興奮だった。


「倉林~、立花~、ありがとー!!」

「お前ら足速ぇ~、マジでありがとう~!」

「食堂無料バンザイ!!!」


主に男子が、口々に叫んでいる。


うん、喜んでもらえて良かったよ。



美夜ちゃんもニコニコして迎えてくれた。


「明莉、めちゃくちゃ格好良かったよ! 動画ちゃんと撮ってあるから、後で見ようね!」


「ありがと、美夜ちゃん!」


「教員チームもすごかったんだよ!? そっちは撮れてないんだけど、最後の方は藤野先生が追いかけてきてて、すんごく白熱したレースだったんだから!」


「えっ、そうだったの? あぁ、だから隣に並んでたんだ。私走ってる時って全然まわりが見えて無くて……」


「藤野先生があんなに足速いの、めちゃくちゃ意外だった! 興奮しすぎてうっかり叫んだから、動画うるさいかも~」


えへへと笑う美夜ちゃん。



えー、そんなすごかったんだ、先生。


市橋君に動画お願いしておいて良かった。


これはお宝画像になりそうな予感……。