私は、────白いゴールテープを切った。
私のチームの歓声が聞こえる。
その後すぐに、どこかのチームがゴールしたらしい。
２位チームのゴールでも、とても大きな、どよめきのような歓声が上がったようだった。
私は興奮を抑えるのと息を整えるのとで忙しく、他のチームの事はほぼ見えていなかったから何があってそうなったのかは分からなかったけど。
「明莉、速ぇーっ！俺、超感動したんだけど！」
悠斗が両手を上げて、とても大げさに喜んでいた。
「なんで陸上部じゃないの？ 明莉だったら全国大会とか余裕で行けそうなのに！」
「う、うーん、興味ないかも……」
走る事は嫌いじゃ無いし気持ち良いけど、誰かと競うのは別に好きじゃないからモチベーションが上がらないんだよね……。
走りで結果を求められると全く伸びなかった中学時代の部活動を思い出して、私は思わず苦笑いをした。
