私が走るところは、美夜ちゃんが私たちのチーム全体を撮ってくれている。


私は整列場所から5組の応援席にいる美夜ちゃんに向かって小さく手を振ると、美夜ちゃんがにっこり可愛く手を振って応えてくれた。


よし、頑張る!!



私はずっと向こうの教員チームの一番後ろにいる藤野先生を横目で見た。


相変わらずボサボサの頭に、眼鏡。


走るのに邪魔になりそう、と思わず笑うと、先生が少しこっちに顔を向けた気がした。



入場の音楽が鳴り、入場して整列し、第一走者がスタートラインに立った。


うちのチームの3年生は男女共にとても足が速い。


恐らく1位で3人目の走者の1年生にバトンタッチしてくれるに違いない。


1年生は緊張でガチガチだけど、それは悠斗がカバーしてくれそうだ。



残るは私がバトンミスと怪我の影響無く走り抜けられるかにかかってる気がする──。


とにかくベストを尽くすしか無い。