なぜこの順番で走る事になったかというと、それはひとえに私の怪我のせいだ。


いくら当日に走るのに支障は無いとは言え、バトンを渡す練習をしなければリレーは成立しない。


最初のうちはさすがに全力で練習するのは難しく、私はチーム練習の見学とアドバイスしか出来なかったのだ。


私を除く4人で練習して貰っておけば、私は直前の数日間の、私と悠斗だけの練習で済む。



最大限メンバーに迷惑をかけない形がこれだった。



アンカーは多少は気が重いけど、藤野先生と争う事になるのも面白そうだ、と言う邪な思いも多少あった事は間違いない。


教員チームはきっと陸上部顧問とかバスケ部顧問とかの、足の速そうな若手教員がエントリーしているに違いないから、なかなかに面白そうなレースになりそうな予感がする。