そして、俺の心の内を全て、お前に告げる。
「俺はそうやってずっと壁を作ってきた。それが教師の俺にとって必要な事だから。
だけど、その壁を、とんでもない破壊力でぶっ壊すヤツが現れた。
そいつはいつも一生懸命で、真っ直ぐで、意外と不器用で、優しくて、危なっかしいヤツで──。
すぐ泣くし、言う事聞かないし、人の事ばっかりで自分のことは全然分かってないし、平気で俺の心の中に入って来てかき混ぜて行く。
──好きになるのにそんなに時間はかからなかったよ。
お前って、ほんと恐ろしいな」
こんな、誰かをここまで愛おしく思えるなんて言う感情が俺にもあるんだって、俺に教えたのは、お前だよ。
ほんとに恐ろしいヤツ。
握りしめていた彼女の手をそっと持ち上げ、俺はその愛しい人の手に、優しく口づけをした。
「好きだよ、立花」
俺がそう告げると、嬉しさで泣き出した立花が、愛おしくて。
ギュッと抱き締めて、耳元で愛してると囁きたい。
強く強く抱き締めて、お前に愛を誓いたい。



