真夜中のピアノ

…そうだ、私も

昇格、できるんだ

もっと上級の妖精に

ピアノの妖精から、もっと上級の

例えば、建物とか、森とかの

女の子を、成仏させたから

人間のいうところの、「徳」を積んだから

もっと簡単に言えば、ポイントがたまったから

ああ、意識が薄れていく

次、私は、何の妖精になるんだろう

いずれにしても、ピアノの妖精としての記憶は、完全に消去される

新しい妖精としての、一歩を踏み出すんだ

嬉しいこと。でも…

楽しかった。ピアノの妖精。

ちょっと、寂しいけど

私を奏でてくれたみんな、ありがとう