白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜

「どうして…No.1を辞めちゃったの?」

私はヒカルの手をそっと手首から外す。

これ以上…触れられていたらホントにおかしくなる。

「たぶん、橙子先生が彼と別れた理由と同じ……(笑)」

えっ……………。



「愛情の貯金ができないって気づいたから………。」

少しの間。


私の目からまた涙が落ちた。

一粒だけ………。


「今日は、これがラストソング。
ちょっとだけ待ってて……。」

そう言うとヒカルはニッと笑って、巻き髪ちゃんの隣に腰を下ろしてマイクを握った。

一瞬にしてその場を盛り上げるヒカルの横顔にまだドキドキする。

私…相当病んでるのかも……。

元ホストになんか…心…持ってかれたりなんかしない。 ……はず。