「観覧車も…プレオープンだよっ。一足先に…今日は煌と橙子に貸し切りだよ。」

「すごい…。ついに、動いたんだね…。」

「動かした。(笑)この観覧車に乗りたかったんだろ?」

「パパっ!!すごいっ!!ありがとう。
本当に本当に…動かしちゃったんだねっ!!」



家族で…この観覧車に乗りたかった。

小さい頃からの夢だったんだ。



光留はそう言って私を見て、少し照れた表情で笑った。

3人で息を切らせて、夢にみた観覧車へ乗り込む。

このワクワクに言葉が出ない。

このドキドキが愛おしくて…静かに天辺へと向かう夜景の眩しさを丸ごと抱きしめてみたくなる。

悲しい事も、楽しい事も…涙も笑顔も…この街の夜には溶けている。

本当は手探りでしか歩けない道が…イルミネーションで照らされているこの街の夜が好き。

この灯りは…信じることへの道しるべ。