「だって…だぁ〜って。
光留と煌は、誰にもあげないっ。
あんたになんて、あ〜〜〜げないっ……。」

私はベンチの下に転げる光留に走り寄る。

「だって、好きで…好き過ぎて仕方が無かったから。」

彼女はやっぱり虚に立ち尽くす。

私の涙が光留の血だらけの頬に落ちる。

しっかり…して…


光留…お願い…


光留。


私は自分の上着で止血する。


「だって…こうしたら、永遠でしょ……。」 

エリさんの指先…ナイフの先から、血の雫がアスファルトに滲む。

「だってっ!!だって!!
光留のことが好きなんだもん………。」