「本当に…お願いだから…。」

光留はそっと私の顔を覗き込む。

「もう…冗談でも1人にしないで…。」

「ご…めん。」

光留は私の頬に右手を当てると…短いキスをする。

身体を起こして、左足を庇うように引きずると…自分でベッドにストンと座った。

「心配かけて…ごめん。」

私は光留を真っ直ぐ見つめて…やっと笑う事ができた。

泣き笑い…だよ。もぉ……。

「ここ、座って。」

光留は大きなギブスが付いたままの膝を叩く。

「(苦笑)座れるわけないじゃん、大怪我してる人の膝なんて…。」

「大丈夫っ!」

「ちょ…ちょっと…光留っ。重いってばっ!」

光留は、私の腰を引き寄せると自分の膝に座らせた。

お姫様抱っこ…ならぬ…お座り抱っこ。