「橙子……他人の…子だろ。」

陸斗は私を気遣いながらも吐き捨てる。

「他人の子なんかじゃない。
煌君は、光留の子供で…だから、私の子供なの。」

陸斗は黙って私と同じ方向を見つめる。

「家族…だから。」

私は左薬指にはめた指輪を観覧車のシルエットにかざす。

「な〜んか。強いな女って…。」

「ど〜いう意味っ!(笑)」

「褒めてるっ。」

「そっ。悪くない……」

光留の口調がポロリと自分の口から出て…また胸に切なさが込み上げる。

強く…なんてないけど…頑張るって言葉に今は頼ってる。

「なぁ……橙子。
俺さぁ、工事に入ってる時に…たまたまなんだけど、見たんだ。」

「……?えっ?」