「姉ちゃん…危ないからっ!!炎がもう燃え移ってる。消防が来るから…じっとしてろっ!!」

「お願い…煌君を助けて…
光留を…助けて…。」

光留ーーーーーーーー!!


駆けつけた消防隊員の1人が私を抑えた。

数人の消防隊員が入り口に向かった時…

忘れていた息を大きく吸い込んだ瞬間…

マンションの隣の古民家が凄まじい音を立てて炎の中に崩れ落ちた。


熱い……


吸い込んでしまった煙や埃でひどくむせる。



お願い…

光留と煌君を…助けて…


「中に…人が、まだ人がいます!!」

私の涙声が…走り回るレスキュー隊員に届いたかは分からない。

けれど…半狂乱の私を抑える隊員は頷いて、私の背中をさすった。