な〜んてね。夜景を独り占め…

あっ…じゃなくて…♡

2人占めっ。

私はダイヤの指輪が光る左手をまじまじと眺める。

夜景のキラキラに指輪のクリアな光の筋が刺さるこのコントラストは…

本当に奇跡的な程美しくて…愛おしい。

巨大なガラス窓の下、音も無く…赤色灯が回っているのだけが見える。

この天空にいると、慌ただしい日常もアコの事件のことも…まるで遠い日の出来事のように感じる。

夢…じゃないよね…と怖くなったりもする。

「橙子…。 こっち向いてっ。」

「ん?」

「受け取ってくれる?」

「(笑)すごーーい!!」

すごい量の薔薇の花束…。

光留が薔薇に埋もれて見える。

「何本あると思う?」

「わっかんないし…数えられないよ…。」