「橙子先生…、俺と結婚して下さい。」

「…………。」

声が出ないよぉ。

こんなの…奇跡でしかない。

「橙子?大丈夫?」

「だって…はいって言ったら怒られそう…じゃん。」

「(笑)誰に?」

「分かんない…(笑)」

笑いながら…何故か私の目から涙が溢れ落ちる。

「…ごめん。嬉し泣き…(笑)」

「返事、またLINEで聞かなきゃいけない?」

私は首を思いっきり横に振る。

「私でよかったら…結婚して下さい。」

誕生日が、もうひとつ…アニバーサリーの日になった。

キラキラ眩しいダイヤの指輪を、光留は私の左薬指に。

「こんな…ダイヤモンド。初めて見た。」

「(笑)もっと大きいやつ持ってるって言われたらどうしようかと思った。」

「(笑笑)」

こんな指輪…セレブか芸能人しか買えないと思ってた。

今更だけど、光留のスケールの大きさに驚く。

「光留…ありがとう。
私たち…幸せになれるかな…。」

「少なくとも…僕は橙子先生を幸せにする為にここに居るんだ。」

とても…紳士な悪魔はやっぱり王子様だね。

「あっ…そう!これ食べたら部屋、取ってあるよ。最上階のスイートルーム。」