「橙子先生っ!!これっ!煌君のっ!」

まりなちゃんが遅番の先生の手からぬいぐるみを奪う。

「あっ…ちょっと…まりなちゃん…っ!」


「煌君……!これ。大事なんでしょっ。
まりなもお家にあるのっ!大事なぬいぐるみ。
寂しい時にお話を聞いてくれるうさぎさんなのっ。」

まりな…ちゃん。

「赤ちゃんなんかじゃないよ。
まりなも一緒っ!!」

しっかり者のまりなちゃんはやっぱり力強い眼差しで、煌君にアザラシちゃんを突きつける。

「まりなちゃん…ありがとう。」

私はまりなちゃんを抱き寄せる。

「まりなちゃんは、やっぱりいつも優しいね。
ありがとう。」

私は煌君とまりなちゃんを抱きしめる。

 ありがとう…。

「橙子先生…辞めないで。
ひまわり組の先生…辞めないでね。」

………まりなちゃん。

「どの先生も皆んな…まりなのことしっかりしてて偉いねって褒めてくれるけど…
優しいねって言ってくれるのは橙子先生だけだから…。」