「で、さぁ。橙子先生は結婚してるの?」

「へ……?まっまさか。なんでっ!」

なんか…いちいちドキっとする。

たぶん、声。

?話し方…かな?

ヒカルの声は、低い割に…囁き方が甘い。

あとタイミングも…

いきなりの質問に、思わず変な日本語になる。

「け…結婚って!私?私が?どこっ?何?」

「(笑)だって…左の薬指。
さっきのリング…大事な物なんでしょ。見つかってよかったですね。」

「あっ…コレ!?」

私は、元カレとお揃いのリングを見つめる。

さっき、ヒカルに拾ってもらったリング。



あ…………。ホントだ。

なんかクセで左の薬指につけてた。



なるほどさっき、右に付けてたからなんとなくしっくりこなくて落ちたのか…。

規格外のイケメンに唐突に「結婚」なんてワードを出されると…ひどく焦る。…らしい。