ママ達が園の前でお迎えついでに井戸端会議をしている。

数人と目が合う。

慌てて笑顔を作るママ達に…軽く会釈するとなんとなくぎこちない空気が流れた。

だよね……

噂、広まってるんだろうな。

でも、子供たちには飛び切りの笑顔でいなきゃ…。

私がこの園に在籍しているかぎり…やっぱり最後まで笑顔でいたい。

そう…

お仕事だから…。

そうじゃない…

私がそうしたいから…。

こんな風に、ここから去らなきゃいけない自分が情け無い。

でも…

それでも…私は光留を好きになった事に後悔なんて無い。

「あっ…橙子先生…。」

「お疲れ様です。なつめ先生…ご迷惑をお掛けしてすみません…。」

「大丈夫?!体調の方は……。」

職員玄関から入るとすぐに、なつめ先生が迎え入れてくれた。

「少しの間でしたが…お世話になりました。」