「ヒ…ヒカル…さん。救急車はちょっと…警察も…。こうなったら、出来れば知り合いの医者へ直に連れて行って欲しい…かなって。」

レイジ君はペコペコと頭を下げる。

「何…言ってんだよっ!!バカっ…!!アコちゃん、死なす気かよっ!!」

光留のこんなに怒った顔を初めて見た。

「そんなことしたら、俺も店も捕まっちまうだろっ!!そもそも気持ち良くなろう…って過剰摂取したのはアコの方だし。
俺は止めろって言ったんだよっ!!」

レイジ君の無責任な言葉にストーカー男のピュアな想いが炎上したらしい。

「アコちゃんに…アコちゃんに…何したんだよっ!!……触るなよ…苦しめるなよっ!!
何で…こんなヤツのことなんか…好きなんだよ。」

男は、レイジ君に向かって刃を振り上げる。

「うわぁぁぁ〜〜〜ーーー!許さねえっ!!」

「わあっーーーー!!やっ…止めろっ!!
助けてっ!!頼むっ!頼むからっ!」

懇願するレイジ君。

興奮する男を光留が止めに入る。

「止めろってっ!!何が先か考えろっ!!
アコちゃんだろっ!?
お前が助けたいのはアコちゃんだろうがっ!!殺し合ってる場合かっ!!」