光留は煌君を膝の上で揺らしながら、スピーカーフォンに切り替えて話す。

「ヒ……カルさん……」

「おぅ!レイジ、久しぶりっ。何?どうした?」

「ヒカル…さん…助けてっ。殺されるっ。
助けてっ……。」

………!!!!?

「アコがっ!アコが…大変で…助けてっ…」

私は、レイジ君のただならぬ声に光留のスマホに這い寄る。

「おい。レイジ、待ってろっ!すぐ行く。」


光留と私は、煌君にすぐに戻ると言い聞かせてスクリーンの前に座らせた。

「ごめんね。煌君…すぐに戻るからお利口さんで待ってて。」

「うん。大丈夫。」

「橙子はここにいろよっ!危ないかもしれないからっ!」

「一緒に行くっ!!行かせてっ。アコを放っておけないよっ!!」

「……ったく……」

慌ててジャケットを羽織る光留と同じく、私も焦って上着に袖を通す。

アコ… アコ。

お願い無事でいて!!

今のアコの精神状態を想像すると放ってなんて置けなかった。