反則……!

だから、いつも見えない。

冷静な視界が全く失くなって見えなくなってしまう。

ズルイよ。

こうやって…キスをする光留の表情は見えないんだから。

ただ彼の息づかいで…想像する。

獲物を喰らう野生の鼓動……

優しく触れるクセに、強く激しく求めてくれる…でしょ…て。

想像する。

だって…目を開けられないほど私は掻き回される……



「パパ?……おかえりっ……」

光留の身体がガバッと跳ね起きる。

「だぁーーーーっ!もぉーーーー煌ぁ〜邪魔すんなよぉ〜。」

アザラシちゃんを抱えた煌君はキョトンとして光留と私を交互に見る。

「ごめん…パパ。」

そう言って煌君は両手で両目を隠す。

アザラシちゃんが足元に転がる…