あれから…

成長してないじゃん、自分…。

情けない。

一番近くにいた私が煌君の痛みに気付いてあげられなかったなんて…。

虐待かもしれない心の悲鳴の傷跡に…私はちっとも気付かずに…

情けないよ。

最低な保育士。

私は葛藤の中、スーパーの店内を無駄に行ったり来たりして…やっと今日の夕飯の材料を揃えた。

カレー、今日こそ作ってあげるんだ。

気持ちはめちゃくちゃ複雑なクセに、どうして良いか判らないクセに…それでも2人に会いたい。

「よっ…橙子っ。」

「あっ。陸斗ぉ!」

「肉っ!(笑)自由に食べさせて貰うっ!」

そう言って陸斗は、惣菜の肉祭り…そんな買い物カゴを見せびらかした。

「あははっーー(笑)」

「それにしても…橙子も買い込んでるな。」

陸斗は、私のカゴを覗く。