「お父さんが大変なのはよく分かるわ……。若いから…きっと、したい事も沢山あるでしょう…。煌君が邪魔になる事も多いと思うわ…きっと。」

「そう……ですね。」


光留は…そんな父親じゃない。

何かの間違い…。


私は静かに礼をすると職員室の戸を閉めた。

「橙子先生ーーー!おはようございますっ!」

玄関から駆け寄ってくる子供たちのいつもと変わらない元気な笑顔にほっとする。

「おはようっ!皆んな。」

周囲を見渡す。

「煌君は?」

「まぁだぁ〜(笑)」

「まだだよ、先生。」

「煌君、いつもお寝坊さんじゃない(笑)」

あっ…そうだ。

そうだった。

煌君は、いつも最後の登園。

9時半過ぎになる時もある。