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「橙子先生…ちょっと。」

「は、はい。」

園長先生に呼び止められると…やっぱり緊張する。

朝から…なんだろう。

嫌な…予感。

園長先生の〝 ちょっと… 〟の声のトーンで感じる。

「橙子先生、池上君…煌君の事なんだけど。」


ドキーーーーーーーー 。


「また、傷が増えてるって…。」

「……傷?!」

「気が付かなかったの?」

「あっ………。と、す…すみません。」

「先週、身体計測あったのに?」

「………すみません。バタバタしてて…そこまでは…。」

「なつめ先生がトイレで声をかけたら、両脇の下あたりに、アザがいくつか残っていたらしいのね。」

職員室の片隅で凍りつく。