白夜の天使たち 〜ホストでパパで彼氏です!〜

廃墟となった遊園地は堤防の街灯で、ぼんやりと明るい。

ゲートやエントランスはアスファルトを破って伸び放題の雑草。

蔦の絡むメリーゴーランド。

マスコット人形が描かれた色褪せた案内板。

おかしいよね……。

こんなに異様な場所にいて…不思議。

おとぎの国にいるような感覚。

真夜中の夢の中のよう…。

豪華なライトアップや光の演出も、輝くエンターテイメントも一つも無い。

キラキラ磨かれたボディーの遊具なんて…一つも無い。

なのにここは夢の国…おとぎの国のよう。

光留はそういう光を持ってる人。

彼がいるだけで廃墟さえVIPになる

光留は煌君を肩車すると、おとぎの国の噴水広場を軽く走り回る。

地上に舞い降りた…美しい天使たち。

私は…

2人に…

彼らに…恋をした。