「何やってんだよ。煌と会う時は俺がいないとダメだって…約束だっただろっ!」

「今…♡光留、来てくれたっ…」

エリさんは、そう言って私を見る。

「やめろよ…そういうの…。」

「パパの誕生日を親子で祝って何が悪いの?」

「だからっ………ったく…。」

「煌に…会いたかったの。」

エリさんが、また私を見る。

「あの……私、これで帰りますからっ。」

私は、エリさんの静かな挑発に耐えられなくなっていた。

「煌君、またね。」

小走りでその場を去る。

じゃないと…吐くかも…。

だって、私が決して入り込めない2人の空気に居場所が無さすぎて…。

煌君は、光留とエリさんの子供だし。

親子でパパの誕生日を祝うのは普通だし。

光留の首筋には……彼女の名前。

私の入る隙間なんて…どこにも無いのかも。