ママが…迎えに来る…って。

どういう事?

このまま理由も分からず、煌君の行方も分からず…放っては置けない。

とりあえず、光留から預かったカードキーを握ってマンションへと向かうことにした。

煌君…どこへ行っちゃったの?

ママって、エリ…さんだよね。

エリさんが…迎えに来たって事だよね。

マンションの前に着くと同時に私のスマホが震えた。

光留っ!!

慌てて通話ボタンを押す。

「橙子先生。今どこ?」

「光留っ。どうしようっ…煌君がいなくて。」

「うんっ!!聞いた。今どこ?」

「あ…い…今。光留のマンションの前。
とりあえず…行くところが思いつかなくて。」

「今、向かってるから、そこで待ってて…。
保育園から連絡もらって、そっちに向かってるっ。
エリがまた勝手な事を…とにかく、そこにいて。」

光留の声にホッとして…吐く息が震える。

「橙子……。今すぐ行くからっ。」

「………うん。」