ジョーロが大き過ぎて、つまづく煌君を…抱き止める。

私にはこうするしか無い。

抱き締めることしか出来ない。

「大丈夫?怪我なかった?」

「うん。大丈夫。」

「橙子先生は?大丈夫?」

「(笑)あちゃ〜!靴、汚れちゃったね。
でも、大丈夫っ!」

思わず煌君をぎゅっと抱き締める。

小さな肩。

煌君はニコッと笑うと、もう一度ジョーロを持とうと手を伸ばす。

その手の先……

ジョーロがフワッと持ち上がる。

「持つよ。たくさん水、入れたんだなっ。」

「あ……っ。陸斗、お疲れ様。
今日はもう終わり?」

「ああ。夕方なのに…暑っちーなっ。」

〝 先生、さようならっ 〟次々と迎えが来る子供たちを見送りながら、陸斗とひまわりの花壇を覗き込む。