「今すぐ?」

光留は私の胸元から顔をあげる。

「本気?」

「今すぐ、本気。狭い所…得意なんでしょ。」

粋がる私の震える声を、分かってか…光留はクスッと笑う。

優しい悪魔の顔。

「知らないよっ。どうなっても……。」

光留はキスの続きを降らせながら…

あのトイレに鍵をかけた。


私……こんなことしちゃう子だったっけ?

アコを軽蔑なんてしない。

嫌いになんてなれないよ。

だって…こんな風に光留を私の奥で感じてしまったら……あと戻りなんて出来ない気持ちがよく分かる。

私の中に突き立ててくる嵐の日のような波の強さに…自分をどこかに攫われてしまいそう。

声を殺しても…気持ちは殺せない。

独り占めしたいよ。

今、今だけでいいから…そのタトゥーは見せないで。