「橙子、泣きすぎだってばーーーー(笑)」

アコが私の目の前にティッシュの箱を置く。

「だって…なんか嬉しいっ。」

涙を拭きつつ鼻もかむ。

「(笑)ていうか…食べて、食べてっ!全部、おかわりあるよ。」

「千奈美、良いお嫁さんになれるね。
どれも…めちゃくちゃ美味しいっ。」

「ありがとっ♡橙子っ。」

…と、そこでインターフォンが鳴る。

「あっ。彼、帰ってきた。」

千奈美はモニターを覗くと、パタパタと玄関に向かう。

彼とは同棲して2ヶ月程だそう…。

「はじめまして。 田中です。」

背は高くなくて…少しお腹周りが大きめだけど、優しそうな彼。

安心を絵に描いたような、そんな彼。