「マジで…悪かった。
ただの、俺のワガママだよ。」

「ほーーーんとっ。(笑)
そんなワガママ、無しだよっ!!」

「だな。
でも……嘘じゃなかったよ。
俺が橙子のことずっと好きだって事と、キスしたかった事は…。」

「…………。」

「ホント、マジでごめん。 つい……。」

陸斗はそう言って、作業着のポケットに両手を突っ込んで私に背を向けようとする。

「陸斗っ。奥さんと…ケンカでもした?」

「いや………。早紀とは関係ないよ。
ホント、俺…何やってんだろなっ(苦笑)」

「あのさ…陸斗。
私、好きな人ができた……。」

「…………。マジで?」

「うん。もう…アラサーだし(笑)
恋も最後にして落ち着きたいって…思ってんのにさっ…やっぱ不安だし、ドキドキする。」

「(笑)そっか。」