「お約束っ。破っちゃダメなんだよ!3枚使っちゃいけないんだよっ!
折り紙は、1日2枚でしょ。」

先生口調のまりなちゃん。

そうそう…お約束。

守らなきゃ…。

「だって……」

煌君が小さな声で俯く。

「ダメっ!2枚までなのっ!」

まりなちゃんのエプロンを引っ張る力が強くなる。

「橙子先生っ!煌君に言って!!」

正義感の塊のまりなちゃんは目を吊り上げている。

そうだよね。

何か…理由があって…

何か…言い訳ってものがあって…

「だって…折り紙…破れちゃったもん。」

「お約束は守らなきゃ。まりなちゃんの言う通り…1日2枚だもんね。」

煌君は、私の顔をじっと見つめて3枚目の折り紙を元の場所へと戻しにかかる。