「レイジ君と何かあった?」

キッチンに立ったまま…コップの水を一気飲みしたアコは少し落ち着いて、リビングの2人がけソファーの真ん中にぺしゃん…と座った。

アコは、“これでもか”というほど鼻を咬んで私が差し出したジャスミンティーの氷が動く様子をしばらく見つめると、ようやく口を開いた。

さっきの私の質問には答えず、むしろ話を逸らして…自分で自分を抑えているようにも見えた。

「橙子、ヒカル君から連絡あった?」

酔っ払ってるせいで、声がフニャフニャしている。

「えっ?!あ……う、うん。」

突然の話に、ジャスミンティーにむせる。

「珍しいなぁ〜っと思って♡ヒカル君から女の子の連絡先…教えて欲しいなんて。」