もう…動くことのない古ぼけた観覧車は、どこから見ても悲しくて…けれど不思議と神秘的で凛として見える。

灯もない…キラキラした輝きなんて一つもないそんな存在に慰められているのかな…私。

大智とのやり取りを早く忘れたくて、冷蔵庫から飲みかけの安いワインの瓶を取り出す。

少し酔ってから眠ろう…。

アレ…?

誰だよぉ〜!

ワインの中身、殆ど無いじゃんっ。

こんなの冷蔵庫に戻すヤツ!!

………私か。

夜中に自分に突っ込んでる場合じゃない。

アルコール切れ……冷蔵庫も私も。

アコとも飲み直せなかったし、買いに行こっかな。

私は部屋着のハーフパンツを着替えようか…?と2秒ほど迷って、すぐに まっいいか とぺたんこのサンダルをつっかけて外へ出た。