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家に帰ってすぐに、スマホが鳴る。

こんな時間に…誰…?

出るか出ないか一瞬迷った。けど…

逆に言うと…出ない程の理由も無い。

3ヶ月ぶりの元彼…大智(たいち)の声。




「じゃっ。待ってるよ!やっぱり、橙子に見て欲しくて……。」



友達数人で個展を開くことになったらしい…。

「来週、土曜の夕方なら、俺…会場にいるし案内するよっ。」

なんで…そんなになんでもない風に誘えるの?
…って、通話ボタンをオフにしてから溜息をつく。

大智にとってこの3ヶ月は、それほど激変した3ヶ月でもなくて…私が側にいてもいなくても…彼のペースは変わらなくて……。