はつ恋。

―――パシャ。


シャッター音に気づいて有馬くんが笑うのを止めて私を見つめてくる。


「今の見せろ」

「やだ」

「見せろって」

「これは私の記録なの。見せたくない」

「勝手に撮ったから、お仕置きだ」


腰に手を回され、体が密着された状態で今度は唇に落とされた。

しかも、苦しくなるくらい、長く。

しかも、しかも、

行き交う人々に見られながら、

色とりどりの花が咲き誇る、

大きな花壇の前で。


「はあはあはあ...。苦しい」

「息も絶え絶え、だな」

「酷いよ、こんなことするなんて...」

「酷くない。好きだからしたまでだ」


甘い言葉の数々が空きっ腹に直接貯まっていき、もうお腹がいっぱいになった。

食事よりも乗り物に乗って気を紛らわせたい気分。