「おっはよー。ねえねえ、昨日のテレビ見た?」

「見た見た!湖杜(こと)ちゃんのドラマだよね!」

「ラストめっちゃキュンキュンした!」

「だよね!だよね!」

「こっからどーなるかな?」

「ええ~、やっぱさ......」


普通の会話が私にはなくて

日常の中に言葉が足りなくて

私は言葉がすごく苦手になって

気づいたら不自由になってて

流暢なんて求める気にもなれなくなって

いつしか諦めて

自分の気持ちは

いつだって

胸の奥深くにしまってある。

たまに出てくる時があるんだけど、

それが...

カメラを構える時なんだ。