言葉を阻むように有馬くんは私の唇を塞いだ。

一体何度目の感覚だろう。

でも、毎回何かが違って

でもでも、毒が回って

ふわっとする感じは変わらない。

なんだろう、

この不思議な感覚。

名前なんて、つけられない。


「ごめん。やっぱ我慢出来なかった」

「我慢...して下さい。ここが苦しくなっちゃうので」

「この前言ったじゃん。もっとドキドキさせてやるから覚悟しとけって。だから、遠慮しないから。ってことで、こっからはこーして行く」

「うわっ」


指と指の隙間に入り込んで

そこから何かが巡っていく。

ううん。

何か、じゃない。

温もりだ。

有馬くんの、心の温度だ。

有馬くんはその温度で、私の心を暖めてくれているんだ。

なら、私も同じくらい、

有馬くんに熱を送ろう。

だって......

好き、なんだから。

その気持ちに正直になろう。

恥ずかしがらず、伝えよう。

今日1日、

色んな初めてを経験しながら。


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好き、なんだ。


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