はつ恋。

やっと、会えたんだ。

いや、もうとっくに会っていたのに、私が気づかなかっただけか...。

なんで半年もあったのに、今日まで聞けずにいたのだろう。

というよりそもそも、目の前の赤髪さんって、

一体......何者?


「オレは有馬灯環。今日から花室日奈子のカレシ...ってことでいい?」

「えっ...。あぁ......はい。私なんかで良ければ......よろしくお願いします」


私がぺこりと頭を下げると、その頭に大きな手のひらが乗った。

そして、優しく撫でられる。

その温もりが、騒ぎすぎていた胸の鼓動を抑えてくれた。


「オレ左利きなんだ」

「ふわぁ。珍しいですね」

「この手で必ず日奈子を守るから。だから......側にいてくれ」


私はうんうんと2度頷いた。

すると、またふわっと引き寄せられ、強く強く抱き締められた。


「あの...苦しいかも、です...」

「ごめん。でも、あと10秒」

「あっ、はい...」