はつ恋。

*回想*


「違わない。私があの日の......」


その後私はキスをされた。

ピンクのカーテンが風に吹かれて翻り、

なんだかほわほわと不思議な気分になっていた。

10秒くらいの沈黙の後、有馬くんが口を開いたんだ。


「花室日奈子」

「えっ...?なんで私の名前を......」

「新聞部なんだろ?名前くらい知ってる」

「そ、そうですか...」


有馬くんはふっと笑うと体を起こし、ベッドの端に腰かけた。

私は体が麻痺しているみたいで動かず、そのまま硬直していた。


「どうした?もしかして起きられない?」

「あっ、えっと...その......」


まごまごしていると左手を差し出された。


「握って」

「えっ...。あっ、はい...」


私が腕を掴むと勢い良く引っ張られ、私は起き上がり小法師になった。


「軽いな」

「えっ...。いや、でも最近ちょっと食べ過ぎて太ったし...」

「スイーツが大好きとか?」

「そうなんです!私、ケーキが大好きで、特にイチゴのショートケーキがだいっすきで......。あっ......」


ヤバい...

熱弁ふるっちゃった...。

男の子って甘いもの苦手だよね?

あわわ...

やらかした......。